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金沢高専2020Vision

—グローバルイノベーターの育成を目指して—

本ビジョンは、2015年度にスタートする教育改革の完成年となる2020年に、金沢高専がどう在るべきか、果たすべき役割は何かなどについて意見を出し合い、進むべき方向と行動を指針としてまとめたものです。

人間形成、技術革新、産学協同を旗標とする学園建学綱領の具現は、本校が担う社会的意義であります。その認識の上に立ち、グローバル化、少子化、産業の高度化・流動化などに対応するための変革を推進し、金沢高専の更なる発展を実現するために、「金沢高専2020Vision」を策定しました。

金沢高専は、このビジョンを指針に掲げ、グローバルイノベーター育成のための教育体系を構築し、将来にわたり無くてはならない学校と成ることを目指します。

金沢高専2020Vision

1.学生個々の「人間形成」を第一義とする

15歳から20歳は人間が最も成長するときであり、この5年間に高い志と立派な行動を身につけることが、その後の人生に大きな影響を与えます。そのために、それぞれの学生に大きな夢を与え、より良い世界の創造に参加する勇気と情熱を養います。

1)学生各自に、人生の糧となる豊富な経験を与える。

  • 学生をよく観て、それぞれの学生に良質な経験を与える。

2)学生の個性・多様性を認め、それぞれを伸ばす教育を実施する。

  • 「社会はカラフルなのに学校だけは灰色に感じる」ということがないように、学校は元々カラフルなもので、学校こそ最上の場であることを伝える。

3)学生本人がやる気であれば、学校は後押しを惜しまない。

  • 学校にいる時間がつまらないものであってはならない。学校生活で夢中になれることがあり、毎日毎時間が価値あるものでなければならない。

4)職に関わる教育だけでなく、全人的な教育を行う。

  • カリキュラムや授業の目的を、学生が、自身の生き方と関連づけて捉えられるよう工夫する。
  • 学習者中心の教育を行い、自律性、創造性、コミュニケーション力、異文化理解力、協働する力など、変化し続ける世界にあって最も必要となる「人間力」を養う。

5)キャリア教育は職業のみにあらず。自分の人生を設計し、より良く生きることを目的に実施する。

  • これまでの産業化時代に尽くしてきた人材に求められた能力要件と、これからの社会で求められる人材への能力要件は違うことを認識し、学生の能動的態度や意思決定力を育成する。
  • 学修ポートフォリオの作成を通じて、学生の成長を図る。

6)学習が生涯にわたって続くものであるという思考、生涯学習者としての態度を身につけさせる。

  • 学ぶことが楽しい、できなかったことができるようになる、新たな発見がある。常に好奇心を持って学び続ける態度は、職場でも、人生においても大切である。

2.イノベーションを起こす人材の卵を育てる

これからの社会は、独創的なアイデアをイノベーションにつなげる人材が発展させると考えます。イノベーション能力の育成は、急速に変化する産業社会に対応できる能力の育成につながります。そのためには、学校全体が常にイノベーションを追求する気鋭に満ちていることが重要です。

1)考える力、デザイン能力を高める。複雑性が増す社会にあって、教育の中心は知識の獲得ではなく、思考方法をしっかりと身につけさせることにある。

  • 複数のデザイン手法を身につける。
  • 学んだことを統合し応用できる能力を養成する。

2)世界的工学教育CDIOに取り組み、教育のイノベーションを追求する。

  • CDIOは未来の工学教育への挑戦である。世界の教育を学び、本校が我が国の将来の技術者教育・国際的に通用する工学教育の先鞭をつける。そのフレームワーク、プロセス、理想の目標とそこに至る地図の作成方法を学習し、本校に適したCDIOをつくる。
  • CDIOのフレームワークを用いてカリキュラムの体系化及び統合を図る。単に科目の変更を行うものではなく、カリキュラム全体にCDIOのプロセスを織り込むことに着手する。
  • 数理工統合により、広いスキルを得る機会を与える。数学と専門基礎を、実際に使われているコンテキストの中で教える。

3)教育目標と成績評価を関連づける。新しい教育には、従来の授業科目の成績に留まらない全体的な評価があるべきである。

  • 成績評価方法、進級・卒業要件を全面的に見直す。その際に、GPAの積極的な使用を検討する。

4)一般教科と専門教科の教員が協働してカリキュラム内容を見直すなどの改善活動に取り組み、学生たちの人生が豊かになるよう、彼らの視野を広げ、学習を幅広い文脈へと位置付ける。

  • 教育目標を達成するために、一般教科カリキュラムを明確なねらいを持った内容とする。
  • 専門教科カリキュラムは専門を狭く追究するのではなく、広い経験を与えることに主眼を置く。
  • 一般教科と専門教科の間に、二律背反或いは二者択一となる狭い見解があるべきではない。柔軟に考え最適解を導き出し、且つ実行するよう導く。
  • 技術者への憧れや志を持って入学してきた学生の意欲を消さない。入学当初から創造することが面白いとわかるカリキュラムとする。
  • 4学期制を敷き、夏学期を統合的なテーマの探究のために用いる。

3.グローバル人材の育成

グローバル人材を育成する教育機関のフロントランナーとしての気概を持ち、学生の能力向上、社会貢献、学園の発展に努めます。これまでに培った教育力・国際交流のネットワークを生かし、グローバル化対応ポリシーに沿って、戦略的に学校全体のグローバル教育を発展させます。

1)グローバル人材としての基礎力を育成する。

  • 我が国の文化を理解し、自身のアイデンティティを形成する。
  • 体験を通じて異文化を理解し尊重する態度を養う。
  • 主体的に考え、それを世界の人々にわかりやすく伝える能力を養う。
  • 世界の人々と協働し新たな価値を生み出す経験を積む。

2)学生及び教職員の海外協定校との交流を更に発展させる

  • 工学英語協同学習(CLE2)を発展させ、工学で英語を、英語で工学を学習する機会を増やす。
  • ラーニングエクスプレスやサービスラーニングなど、語学習得に目的を限らない新しいプロジェクト型の海外派遣プログラムを推進する。
  • 海外協定校の協力を得て、海外インターンシップ、コープ教育など、学生を相互に派遣するプログラムを推進する。
  • グローバルな視野と海外での活動経験を生かし、地域の問題発見・解決などの学生プロジェクト活動につなげる。
  • 以上4項目を推進するため、4学期制を有効に活用する。

3)学園の教育力を生かし、独自のシステムを構築する。

  • 海外協定校及び金沢工大と共同した新たな留学制度を設け、魅力ある進学コースをつくる。
  • 外国人留学生の受入れをはかる。外国人留学生が金沢高専を経て金沢工大へ進学するなど、留学生を対象とする進学コースを検討する。
  • 外国人教員のキャリア形成をサポートする。
  • 教職員のグローバル化対応能力を向上させる。

4.金沢高専・金沢工大・大学院の進学コースの再構築

金沢高専がグローバルイノベーターの卵を育て、金沢工大及び金沢工大大学院にてイノベーターへと成長させる魅力ある進学コースを構築します。

1)金沢高専(5年間)と、金沢工大及び金沢工大大学院(4年間)の連携を進め、金沢工大学園の特長を生かした「5+4コース」を構築する。

  • 長期留学や長期インターンシップなどを組み込んだコースを設ける。
  • 産学連携教育を推進し、イノベーターの育成を促進する。
  • グローバルイノベーター育成のための教育環境づくりに努める。

2)金沢高専・金沢工大共同の教育プログラムを実施する。

  • 金沢高専教員と金沢工大教員の協働により、大学進学への目的と憧れを増進するプログラムを実施する。
  • 社会人や外国人を巻き込むなど、グローバルイノベーター育成に資するプログラムを実施する。

3)金沢高専生と金沢工大生の学生間交流を活性化する。

  • 夢考房プロジェクトや学生ステーションなどで活躍する金沢工大生と接することで、授業だけでは得られない知識・態度・感性を養う。
  • 活躍している金沢工大大学院生を身近な憧れの存在として意識し、進学意欲の高揚を図る機会を設ける。

5.魅力ある学校づくり

魅力ある学校づくりのため、4学期制を成功させ、独自性の高い教育システムを構築します。また、学生及び教職員の意識改革を行い、授業以外でも学生と教職員が協働する工学アカデミアの醸成に努めます。

1)最上の教育を提供する学校をつくる。

  • 学生と教職員が信頼関係で結ばれている学校をつくる。
  • 学生同様、教職員も常に学ぶ精神を持つ学校をつくる。
  • 全教科にてアクティブ・ラーニングの推進を図る。
  • ICTの戦略的活用により、わかりやすい授業の実現を図る。
  • イノベーション、チャレンジ精神のある教職員を奨励する。
  • 柔軟な考え方ができ、変革の推進役となる教職員を育成する。
  • 教職員がCDIOの活動を共通に理解し、進んで参画する姿勢を持つ。

2)入学から卒業までをしっかりサポートする仕組みをつくる。

  • 「思いやりの心、知的好奇心、共同と共創の精神、誠実、勤勉、活力、自律、リーダーシップ、自己実現」の英語表記頭文字からなる“KIT IDEALS”を信条とする共同体の醸成に努める。
  • 学修ポートフォリオシステムを構築する。
  • 校長直轄のIR委員会を設け、教育・学習状況を把握し継続的な改善を図る。

3)課外活動を活性化する仕組みをつくる。

  • 部活動総監督を設け、状況の確認と改善策の策定を行う。

4)地域連携教育を推進する。

  • 地域連携・産学連携による魅力ある教育プログラムを実施する。

5)女子学生の増加

  • 21世紀の工学は女性にも面白い分野であることを伝える。
  • 女子学生のキャリア形成をサポートする。