国際高専:国際高等専門学校 | International College of Technology, Kanazawa

高専から金沢工業大学、
そして大学院へ
9年間の一貫したプロジェクトで
エンジニアの技と心が磨かれた。
夢は世界を変える開発をすること。

山田 知徳さん(三菱電機株式会社勤務)

エンジニアデザイン教育 /
Engineering Design Education

大学生中心の夢考房ソーラーカープロジェクトで、高専2年生ながらモーター設計の主担当に大抜擢

モータ開発に初めて関わったのは高専1年のとき。金沢工業大学と高専のものづくり拠点・夢考房でソーラーカープロジェクトに参加したのがきっかけです。1年間はソーラーカーの製作プロセスとモータの基礎を学び、2年次にはモータ設計の主担当に。車体はもちろん、モータもすべて自作がモットーのチームなので主担当ともなれば責任重大。高専生も大学生や大学院生と分け隔てなくチームの一員と認めてもらえ、大役を任されたことがうれしかったですね。休日返上で、開発にあけくれました。以来、金沢工業大学、大学院へ進学してからも、同プロジェクトでモータを担当しました。

ものづくりへの情熱が一層高まった
ソーラーカープロジェクトでの挫折

2年次に自作のモータ開発に取り組みましたが、ソーラーカーレース鈴鹿に向けて行われた試走行で、想定の半分のスピードしか出せませんでした。モータの鉄心に電磁石を巻きつける“巻き線”という作業がモータの回転数を大きく左右するのですが、その巻き方の仕様を決定する際の計算ミスがスピード不足の原因でした。製作を始めてからコイルを巻くこと8640回、その努力が水の泡になった気がして、メンバーたちにも申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そのまま、すでに決まっていた1ヵ月のアメリカ英語研修に参加、弱気になってものづくりを続けることに迷いを感じましたが、帰国後に昨年の仕様をもとに作り直したモータを搭載し、ソーラーカーレース鈴鹿に参加。表彰台には届きませんでしたが、自作モータを搭載した車が鈴鹿サーキットを走行するのを見て、うれしさでいっぱいになり、迷いは消えて、ものづくりへの情熱が一層高まりました。

英語力を生かし国際学会に参加
金沢工業大学でもモータ研究に取り組む

4年生のときに、モータを手がけるメーカーでのインターンシップに参加し、モータの巻き線の技術を褒められました。自分の技術が社会で適用できることが実感できた貴重な体験でした。卒業研究は、ハイブリッド発電機システムをテーマに取り組み、中国で開かれた国際学会で卒業論文を英語で発表、優秀学生賞を受賞しました。外国人の先生が担当するスピーキングの授業や2年次のアメリカ英語研修で培った英語力をベースに、専門科目を担当する外国人の先生からも表現や発音の猛特訓を受けました。
ただ、この頃からモータのすべてを学び尽くしてしまったような気がしていました。これ以上深く研究しても意味がないように感じて、金沢工業大学へ編入学し、研究室を決定するときになっても迷いが消えませんでした。そんなときにモータを研究している深見先生から「視野が狭い」とお叱りを受け、増長していた自分に気づかされした。先生から海外の論文を読むことを奨められ、特殊なモータへの興味がわいてきました。結局、深見研究室に所属し、環境負荷の少ない新構造モータの研究という新しい目標を見つけることができました。

9年間の集大成として
驚異的な性能を誇るモータを開発

大学院最後の年はオーストラリアで開催された「ワールド・ソーラー・チャレンジ」に参加しました。前年のソーラーカーレース鈴鹿では2位に入賞し、表彰台にのぼりました。そして、この年は世界大会への出場が決定したので、企業の市販品を超えるようなモータをつくりたいと思いました。市販品の高性能モータのエネルギー効率は95%。それを超えるモータをつくるためには、技術だけではなく高性能な材料が必要でコストも莫大になります。予算の決定権を持つ方に何度も何度も説明し、ついに予算を獲得、エネルギー効率98%の性能を誇る自作モータをつくることができました。
就職試験の面接では「ものづくりで、世の中を変えたいです」と話しました。高専と金沢工業大学で過ごした9年間で、エンジニアとして技術力と実践力、そして人の心動かす力も身についたのではないかと思います。

Profile

2010年3月
金沢工業高等専門学校電気情報工学科卒業
2012年3月
金沢工業大学工学部電気電子工学科卒業
2014年3月
金沢工業大学大学院電気電子工学専攻博士前期課程修了
現在は、三菱電機にてPCUと呼ばれる自動車部品の心臓部の開発を行っています。

山田さんの学生生活を紹介

「物語の始まりへ」File 530

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